若手の指導の際には、“自分が思うように好きに
やってみろ”と言っています。
人を知る
船員インタビュー

2007年入社 /

機関長髙司 健博

前職ではマグロ漁船で機関長を務める。 転職し浜崎海運で内航タンカーに初乗船。

エンジンの知識習得はほぼ独学で

船乗りになったきっかけや浜崎海運への入社までの経緯を教えてください

実家が漁船をやっていたこともあり自然な成り行きで船乗りになりました。 機関部を選んだのは父親からのアドバイスもあったからです。
この会社に入る前は漁船で機関長をやっていました。

機関長になる以前、どうやってエンジンの知識を習得しましたか?

自分の場合はほぼ独学です。
漁船のエンジンに取扱説明書などはないので、 自分で機械をばらして、「ここはこうなっているのか」と、実際に見て、触りながら学んでいきました。
海技免状取得のために海技学校にも行きましたが、学校で聞く講義の内容は正直よく分からなかったです。 それよりも現場での経験や作業を通して学んだことのほうが多かったと思います。自分だけでは分からなかったことは、船がたまにドックに入った際にドックの人に聞いたりもしていました。
そうやって知識や技術をどんどん積み重ねていった感じです。

漁船から内航タンカーへ転職した際に、戸惑ったことはありましたか?

両者の違いにちょっと戸惑った部分もありますが、基本的には機械が小さいか大きいかだけの違いなので、エンジンルームの仕事自体については慣れるのにそれほど苦労はなかったです。それよりも漁船にはなかったPC操作や書類関連の仕事のほうに戸惑いました。

いいエンジニアになれる素質は「視野が広いこと・小さな変化も敏感に気づけること」

浜崎海運への入社後、一番記憶に残っている機関部船員は誰でしょうか?

2回目の乗船時の機関長です。自分にとって師匠のような存在です。
「俺が全部責任を取ってやるから、お前が思うようにやってみろ」という感じの人でした。
何でも自由にほぼほぼ任せてもらえて必要以上の口出しもしないけど、決して投げやりなわけではなく、部下をちゃんと見てくれていました。
仕事がやりやすくもあったし、その分自分でしっかり勉強しなくてはいけなかったので、今思えばこの時が一番自分が成長できたと思います。

写真:髙司健博が仕事をしている様子

機関長として、若手を指導する際に悩むことはありますか?

ないです!(笑) 自分も「責任は俺が取るから好きにやっていい」と言っています。自由にやりたいように、本人の意思に任せている感じです。
機関長になって約10年経って、ある程度度胸もついたので、下の人間に任せられるようになったのかなと思います。
だけど部下が失敗したときはちゃんと叱ります!(笑)

敢えて「自由にやらせる」という思い切った教育方針を取る機関長は、あまりいないのではないでしょうか?

そうかもしれないですね。 自分の場合は上長だからと上に立ってあれこれ細かく指示を出したりはしないです。
逆に自分から「今日はどんな作業をやろうと考えている?」と聞いて、やったほうがいいことがあればアドバイスする感じです。
また敢えて任せる事で、自分で考え、計画し行動する力を身に付けてもらえればと思っています。

髙司機関長が考える「いいエンジニア」になるための素質とは何でしょうか?

エンジンだけでなくいろんなことに興味が持てること、視野が広いことではないでしょうか。
自分は知識の量にはこだわりません、むしろ知識はなくてもいい、教えればいいと思っています。
視野が広いことで、異常やトラブルの際もすぐに気づける、ちょっとの変化にもすぐ気づける人がいいエンジニアになれるのではないでしょうか。

部下から見た、髙司機関長の第一印象を教えてください

髙司機関長:正直に言っていいよ!(笑)

梅原二等機関士:まさに海の男!って印象でした。

山下操機手:最初は怖い方なのかなと思っていました。
仕事中の機関長は「めっちゃかっこいい」って思っています!

写真:髙司健博、梅原悠樹、山下大輝が会話をしている様子

機関部のチームワークの良さが、トラブルの未然防止にもつながっている

髙司機関長ご自身が「機関部を選んでよかった」と思うのはどんなことでしょうか?

機関部は甲板部に比べ人員が少ないですがその分チームワークが良いです。このチームワークの良さがトラブルを未然に防ぐことにもつながっていると思います。 チームワークによって、機関の隅々まで日頃のメンテナンスがきちんと出来て、エンジントラブルが起きることなく通常運行することが、機関部の責任者としての仕事のやりがいでもあります。

個々の船員の観点で言えば、人数が少ないため出世が早いことです。 自分の頑張り次第で年齢に関係なく上職に就くことも可能です。
また、内航タンカーの場合は乗組員全員で荷役を行うので、荷役の知識も身につきます。 機関に関する事柄だけでなく、こういった様々な知識の幅が広がることも魅力だと思います。

浜崎海運の機関部の魅力は何でしょうか?

みんな仲がいいことです!あと、最近入社した機関部の若手たちは成長が早い、やる気が違う!それは実感しています。

最後に、ご自身が感じる「機関長としてのやりがい」を教えてください。

若手の子たちががどんどん成長していく姿を見ているだけでもうれしいですね。
自分自身は特に”教えている”という意識がないので、彼らが勝手に育っている、というのもおかしいんですけど、日々若手の船員たちが着実に成長していることを感じられるのが機関長としてのやりがいになっています。

写真:髙司健博が仕事をしている様子

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